【車窓の風景】対決は「田植えの風景」に軍配!
「駅すぱあとアンテナ」4月号の「駅すぱ・どっち方面?」コーナーは、「車窓の風景」対決。「鯉のぼりが泳ぐ風景」を抑えて多数を占めたのは「田植えの風景」でした!さっそく、「田植えの風景」に一票を投じた皆さんのコメントからご紹介してみましょう。
- ◇『春、これから若い苗がぐんぐんと伸びる様が気持ちを明るくします』
- ◇『ゆったりとした時を感じさせられ、泥だらけになってはしゃいだ、子供の頃を想い出させてくれます』
- ◇『私の家のまわりでも宅地化が進み田植えをする農家が減ってきています。コンバインが引切り無しに村道を走り「もう田植えの季節か・・・」は過去の話、寂しい限りです。播州の米どころで育った者としては、田植えの姿を見ると心が落ち着くので「田植えの風景」に入れさせてもらいます』
子どもの頃の記憶とともに、田植えの風景が浮かぶという方がたくさんいらっしゃいました。なにげない風景ですが、だんだんと"珍しい風景"になってきている感がありますよね。
- ◇『20歳の頃、初めて能登半島に友人と旅した時、千枚田の風景が忘れられません。未曾有の大震災後、食の安全に関心が高まっていますが、風評被害に惑わされない判断力を持ち続けたいと思っています。農家の皆さん、がんばれ』
- ◇『美しい日本の原風景を失くしたくないですね・・・地震・津波からの復興を、まだ寒い北海道よりお祈りしています』
今回は、震災にまつわるコメントもたくさん寄せられました。東北の地でも、のどかな田園風景が早々に広がることを願ってやみません。
- ◇『機械植えが一般的になった昨今なので、演出でもいいから、早乙女がずらっと並んで田植えする風景が見たいなあ』
確かにおっしゃるとおり、「手植え」する風景は珍しくなりましたよね。五穀豊穣を祈願する田植え祭りなどの中には、たすきをかけた早乙女たちが田植えをする風景がみられるところもあります。たとえば、京都府京丹波町。ここには八坂神社の分社が持つ神撰田があり、例年5月下旬になると御田祭が開かれます。早乙女に扮した女性が、踊りに合わせて苗を植えていく行事を見ることができますよ。
・[京丹波町] 伝統芸能 八坂神社 御田祭
- ◇『田植えの光景を見ると、春の到来を感じます。車窓から棚田が見えるところがあれば是非行ってみたいと思います』
機械を導入しづらい棚田では、手で苗を植える姿がよくみられます。車窓から棚田が見られるところですと、JR東海道線の金谷駅から菊川駅に向かう途中、一瞬ですが左手に「千框(せんかまち)」と呼ばれる棚田がみえます。田植えは例年5月下旬です。ぜひ機会があれば、足を運んでみてはいかがでしょう。
・棚田いこうよ.net(千框)
それでは「鯉のぼりが泳ぐ風景」を推したコメントもご紹介してみましょう。
- ◇『日本独特の景色で、気持よさそうに空を泳ぐ鯉のぼりが青空によくマッチして壮観です』
- ◇『物不足の時代に育ったので、小さい時、周りでは鯉のぼりをみませんでした。あちこちで見かけるようになり、これだけ幸せな時代なんだと思いました』
- ◇『昔に比べて鯉のぼりをする家庭が減っていて寂しく感じる時があります。時々見かけるとほのぼのした懐かしい気持ちになって癒されます』
- ◇『子供のころ、電車の窓から鯉のぼりを探して数えるのが妹との楽しみでした。(とっくに)大人になった今でも電車の窓から鯉のぼりが見えると遠くの方まで探してしまいます』
鯉のぼりが少ない物不足の時代から、たくさんの鯉が泳ぐ時代を経て、現在は住宅環境の変化や少子化などであまり見かけなくなっている・・・鯉のぼりは、時代を象徴しているといえるかもしれません。それだけに、ふと車窓から鯉のぼりがみえたとき、心が和みますよね。
- ◇『予土線十川駅付近の四万十川上を、数百匹の鯉のぼりが泳ぐ風景は圧巻』
家庭の鯉のぼりが減っている一方で、「お祭り」として鯉のぼりを掲げる風習が広まってきていますね。「毎年5月の連休に、孫と一緒に各地の鯉のぼりを見に行ってます」という方もいらっしゃいました。また、「四万十の鯉のぼり」に関するコメントも複数いただきました。今年もすでに泳いでいますよ!5月21日まで、観光客の目を楽しませてくれます。
・こいのぼりの川渡し(四万十町)
- ◇『鯉のぼりの力強く風にたなびく様子が、東北の復興を象徴している感じがしてならないので…』
- ◇『被災地の空に元気にのぼる鯉のぼり。そのことを通して復興の足がかりになれればいいですね。と言う訳で今回は鯉のぼりを選びました』
鯉のぼりを選んだ皆さんのコメントにも、復興に関するご意見がたくさんありました。今回、多大な被害を受けた岩手県の三陸鉄道。そのブログには、現在の宮古駅前で泳ぐ鯉のぼりの写真がアップされていました(2011年4月15日のエントリー)。
・【鉄ログ】### 三陸鉄道ブログ ###
季節と「にっぽん」を感じることができる、なにげない風景。ぜひ皆さんもこれからの季節、車窓に目を向けてみてはいかがでしょう。