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駅すぱ・どっち方面

【どっち方面?】 "海外の新幹線対決"は「TGV」に軍配!

TGV

「駅すぱあとアンテナ」で皆さんに「二択」していただくコーナー「駅すぱ・どっち方面」。今月は、海外の新幹線対決となりましたが、結果は「TGV」に軍配が上がりました。

今回TGVを推した方の中でまず多かった意見が

  • ◇『何と言っても高速感溢れるスタイルの良さは感無量ですね!』
  • ◇『内装もステキ!』

といったように、デザイン性に惹かれたコメントでした。さらに実際に乗ったことがある方もいました(羨ましい!)。

  • ◇『2度乗ったことがあります。前面がメカゴジラみたいでかっこよかったです。パリ~リール間の1等車では、フランス料理のフルコースが出たりして快適でした♪』

なお、台湾新幹線に投票した方の中にも、

  • ◇『25年前になりますがフランスのTGVに乗ったことがあります。その時の印象は「日本の方がサービスは良い」と強く感じました。ですから、日本の技術と運営をセットで持って行った「台湾新幹線」を比べる意味でも乗ってみたいと思います』
  • ◇『約20年前にTGVに乗ったのですが、今はもっと進化している様子。ですが、ほぼ日本製の台湾新幹線が気になります。在来線で台北から高雄まで、日本風な汽車旅の経験がありますが、さて新幹線だとどうなるか。機会があれば乗ってみたいです』

といったように、TGVと比較した上で「乗ったことのない」台湾新幹線を選んだという方が多くいらっしゃいました。 その他、TGVを推す方の中には

  • ◇『秋田、山形新幹線同様、高速線、一般線を走行する他に、日本風に言うと銀座線にまで乗り入れてしまうような列車、他に無いですよね!!』

といったご意見もありました。

台湾新幹線さて、日本でも新幹線が走る路線は次第に増えていきましたが、海外もまたしかり。1981年にパリ~リヨン間で初お目見えとなったTGV営業路線は、以降ヨーロッパ各国をまたいで拡大を続けています。昨年はパリからフランス東部へのアクセスを容易にする高速鉄道、東ヨーロッパ線が開通。世界遺産に登録されたノートルダム大聖堂のあるストラスブールや、エミール・ガレに代表されるアールヌーヴォーが花開いた町、ナンシーなど、フランス観光の幅がグッと広がりました。ちなみに昨年6月、この路線を使って試験走行が行なわれ、レールの上を走る列車としては世界最速の時速574.8キロを記録。ちなみに磁気浮上式では、日本のリニアモーターカー「MLX01」が2003年に出した時速581キロが最高記録です。

一方、台湾新幹線(台湾高速鉄道)の車両は、日本の新幹線「700系」と「500系」を参考に基礎設計が施され、高温多湿な台湾の夏にあわせ、空調システムが強化されています。最高営業速度は時速300キロ。台北から高雄まで、台湾西部を南北に縦断しています。ちなみに計画時は欧州連合が受注するといわれていたものの、最終的に日本の技術が採用されました。一説には99年に台湾大地震があったため、地震大国ともいえる日本の新幹線技術が最終的に選ばれた、といわれています。現在でも運行方式や分岐器などは欧州方式が採用されていて、開業当初、運転士の大半はフランス人(TGVの運転士)でした。

現在、TGVの次世代版といえる「AGV」をはじめ、世界規模で高速鉄道技術の競争が繰り広げられています。世界には魅力的な技術やデザインが多々ありますが、高速鉄道技術のパイオニアとして、日本のテクノロジーに期待したいところです!