秋田県南部に広がる仙北平野。その中央に位置する大曲(おおまがり)地域は県内有数の穀倉地帯として知られている。歴史的遺物も数多く、歴史と自然が調和する物静かなこの地が一年に一度、腹に響く花火の音と、多くの人々の感嘆に包まれる。全国の花火職人がその腕を競い合う、格式高い全国花火競技大会「大曲の花火」が開催されるためだ。
この地で初めて花火大会が「奥羽六県煙火共進会」の名で開催されたのは明治43年のこと。花火を打ち上げること自体が物珍しかった時代ゆえ、東北の名だたる花火師達が集った。その後、「全国花火競技大会」と名乗り、規模は拡大の一途を辿る。高校球児に甲子園があるように、花火師達も普段の鍛練とアイデアを披露するべく、大曲の地を訪れている。
2007年は、第81回目。8月25日(土)に、昼花火競技が午後5時から、夜花火競技が午後6時50分から始まる。花火大会は、打ち上げ発数の多さで規模を語られがちだが、大曲の花火は規模に加え、他のどの大会でも見られないような、独創的な花火の競演となる。まさに「記憶に残る」花火大会だ。 |