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駅すぱあとアンテナ(メールマガジン)

2012年4月号








東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県。まだまだ影響が色濃く残る地域もあるが、地元の方々の努力によって、一歩ずつ復興へと向かっている。観光誘致によって経済の活性化を図ろうとする動きもみられるようになった。

その大きな動きのひとつが、4月1日から6月30日にかけて開催される「いわてデスティネーションキャンペーン(以下、いわてDC)」だ。JRグループと旅行会社、観光団体が一体となって取り組み、観光誘致に力を注ぐ。

もともと岩手は、世界文化遺産に登録された平泉をはじめとした歴史名跡や、緑豊かな自然が豊富な土地柄だ。かつて宮沢賢治は、自らの故郷である岩手を"理想郷"と見立て、「イーハトーブ」と名づけた。今もなお、その"理想郷"は健在といえるだろう。

東北新幹線も整備され、鉄道の旅にも最適。いわてDC期間中には、多彩なイベント列車が登場する。まずご紹介したいのが、いわて路を走る蒸気機関車だ。7年ぶりに東北本線の一ノ関駅~北上駅間を走る「SLイーハトーブいわて物語号」と、8年ぶりに釜石線の北上駅~釜石駅間を走る「SL銀河ドリーム号」、ともに蒸気機関車「D51」が牽引する。

このところ、全国各地で蒸気機関車が走るようになったが、岩手を走るとなると宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」を思い起こさずにはいられない。ノスタルジー溢れる鉄道の旅を楽しめることだろう。運行日は両号ともに6月2日(土)、3日(日)、9日(土)、10日(日)、16日(土)、17日(日)となっている。
もうひとつ、注目したいイベント列車が、従来の485系車両を大幅にリニューアルして新たに登場するジョイフルトレイン「ジパング」だ。

かつてマルコ・ポーロが『東方見聞録』に記した"黄金の国"ジパング。そのモデルになったのが、中尊寺金色堂をはじめとした平泉の黄金文化だったという説にちなみ、名付けられた。車両の外観は、落ち着きと重厚感を醸しつつも、さりげない煌びやかさを表現したデザイン。1号車と4号車には、運転室越しに前方を眺望できる展望室が備わっている。さらに1号車のデッキ部分には「現代と平安時代」をテレビモニタの映像と光で表現した演出空間が広がっている。これに乗って平泉へ向かえば、否応なしに期待感が高まることだろう。
遅い春の到来を今か今かと待ち続けている岩手。
いわてDC期間中におすすめの観光名所を一挙ご紹介しよう。
神秘的な自然が広がり、多彩な温泉にも恵まれた八幡平。4月中旬から5月中旬にかけては、全長27kmの道路「八幡平アスピーテライン」の除雪後にできる高さ数メートルもの「雪の回廊」が名物だ。

同時に八幡平の桜も注目に値する。岩手山を望む小高い丘の上に咲く「為内の一本桜」や、上坊牧野に咲く「上坊の一本桜」など、広大な自然があるからこそ映える桜の名木を見ることができる。
毎年6月の第二土曜日、盛岡市と滝沢村で開催される「チャグチャグ馬コ(ちゃぐちゃぐうまっこ)」も、毎年多くの観光客を集める。滝沢村の鬼越蒼前神社を出発し、盛岡市の盛岡八幡宮まで、きらびやかな馬具をつけた馬を連れ、かろやかな鈴の音と共に練り歩く祭りだ。農耕にかかせない牛馬の無病息災を祈念するものとして、今もなお受け継がれている。
花巻は、教育者・農業者としても才能を発揮した宮沢賢治の世界観が凝縮している地。賢治ゆかりの品を集め、その世界観を楽しげにわかりやすく展示した「宮沢賢治記念館」をはじめ、文学作品を多数収集した「宮沢賢治イーハトーブ館」、童話をテーマにした「童話村」、自身が自炊生活を送り、近隣の農民たちに農業や芸術を教えていた「羅須地人協会」など、まるまる一日、賢治の世界に浸ることができる。
遠野は、素朴さ溢れる"民話のふるさと"だ。この地に伝わる古民家は、人が住む母屋と馬小屋がつながった「曲り家」として知られている。これらを今に残した「遠野ふるさと村」や「伝承園」では、古き懐かしき日本の姿を見て取ることができる。「語り部館」では、遠野の語り部による昔話を実際に聞くことも可能。そして、河童が棲むといわれている「カッパ淵」。うっそうとした木立の中、淵のせせらぎを眺めていると「もしかすると本当に…」と思わせてくれるほどの雰囲気だ。
そして世界遺産の地、平泉。中尊寺や毛越寺などで、この地で栄えた浄土思想と黄金文化を垣間見ることができる。例年5月1日から5日にかけては、平泉町内で「春の藤原まつり」を開催。目玉といえるのが、3日に催される「源義経公東下り行列」だ。兄である頼朝に追われた義経らが平泉にたどり着き、藤原秀衡の出迎えを受けた際の情景をつぶさに再現している。他の日も「毛越寺延年の舞」や「中尊寺能」、稚児行列などで賑わいをみせる。一年を通じて歴史情緒を感じられる地だが、この5日間が最も華やかといえるだろう。
本州一面積が広い町、岩泉町の名勝といえば龍泉洞。日本三大鍾乳洞のひとつで、国の天然記念物に指定されている。洞内の長さは、今年1月まで続いた潜水調査によって約3500mまで判明したが、推定では5000m以上に達するといわれている。湧水が貯まり、数か所が地底湖となっている点も特徴のひとつ。とりわけ第3地底湖は水深が98m、未公開の第4地底湖は日本一の水深120mにも及び、世界でも有数の透明度41.5mを誇っている。蒼く澄んだ神秘の地底湖、その美しさに酔いしれてほしい。
宮古市の浄土ヶ浜も、岩手を代表する景勝地だ。鋭くとがった白い流紋岩が林立する様は、絶景と呼ぶにふさわしい景観美を作り出している。現在も震災の影響により、一部の道路が通行止めになっているが、冬のあいだ定期運航を休止していた浄土ヶ浜を巡る遊覧船も3月17日から始まった。いまだ壊れたままになっている堤防などもみられ、ガイドスタッフは被害状況を説明してくれているようだ。観光で訪れることにより、少しでも現地の経済が活性化して復興につながれば…と感じずにはいられない。
いわてDC期間中には、東日本大震災の復興を後押しするべく、内陸部と沿岸部をバスで結ぶ「復興応援ツアー」がスタートする。

ツアールートは3つ。「陸前高田・大船渡号」は、厳美渓温泉から一ノ関駅、陸前高田市、大船渡市などを経由し、花巻温泉を経て盛岡駅西口に向かう。運行日は、4月21日(土)から5月6日(日)までの毎日と、4月14日(土)から9月30日(日)までの土日・祝日だ(予約先:岩手県交通 019-651-3355)。

「遠野・釜石号」は、花巻温泉を発着地として、釜石市や遠野市を巡る。遠野風の丘、釜石鉄の歴史館、遠野カッパ淵・伝承園など観光名所も目白押しだ。途中にJR釜石駅前の鈴子広場仮設店舗にも立ち寄る。運行日は、「陸前高田・大船渡号」と同様に4月21日(土)から5月6日(日)までの毎日と、4月14日(土)から11月25日(日)までの土日・祝日(予約先:花巻観光バス 0198-26-3122)。

「龍泉洞・北部陸中海岸号」は、鶯谷温泉森の風から盛岡駅西口、龍泉洞、浄土ヶ浜を経て宮古駅、盛岡駅までを結ぶ。運行日は、4月13日(金)から5月5日(土)までの毎日と、4月1日(日)から6月30日(土)、7月21日(土)から8月19日(日)までの土日・祝日(予約先:岩手県北バス 019-641-2222)。

いずれのツアーも、料金のうち500円が復興支援金に充てられる。陸前高田市や釜石市などでは、被災時のことを話してくれる「語り部」ガイドも予定しているとのこと。ぜひ参加してみてはいかがだろう。

【 鉄道 】
JRは、JR時刻表2012年4月号の内容に対応
私鉄および公営は、2012年4月2日現在の時刻表に対応

静岡鉄道 2012/3/31 
ダイヤ改正に対応
西武鉄道 2012/4/3.4.6~8.15~17
池袋線、狭山線、新宿線、多摩湖線
野球開催日ダイヤに対応
西武鉄道 2012/4/9~18.27~30
新宿線、西武園線、国分寺線
競輪開催日ダイヤに対応
西武鉄道 2012/4/28~30 
池袋線、秩父線、新宿線、多摩湖線
不定期列車運転 秩父線の一部特急列車の芦ヶ久保臨時停車に対応
高松琴平電鉄 2012/4/1~2013/3/31までの金曜 但し5/4、11/23を除く
琴平線、志度線、長尾線
金曜の終電繰り下げに対応
東武鉄道 2012/4/28~5/6の土曜休日 
東武スカイツリーライン、日光線
臨時特急運転とそれに伴う一部ダイヤ変更に対応

次回2012年5月号は、2012年4月25日(水)配信予定です。お楽しみに!
「駅すぱあとアンテナ」2012年4月号
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発行  株式会社ヴァル研究所 http://www.val.co.jp/
発行日 2012年3月28日(水)
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