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駅すぱあとアンテナ(メールマガジン)

2013年12月号








関西における正月のめでたい風物詩「十日戎(とおかえびす)」。"えべっさん"の愛称で親しまれ、七福神の中でも商売繁盛の神として名高い戎様を祀る祭礼だ。各地の戎社で1月の10日前後に催されるが、中でも賑わいをみせるのが今宮戎神社の十日戎だろう。毎年100万人以上の参拝客が訪れる盛大なお祭りだ。

2014年1日7日(火)に行われる「餅つき神事」「餅まき」を皮切りに、9日(木)の「宵戎」、10日(金)の「本戎」、11日(土)の「残り戎」と続く今宮戎神社の十日戎。宵戎で注目したいのは、戎様のトレードマークといえる鯛にちなんだ献鯛(けんだい)行事だ。

江戸時代から大漁祈願として大きな鯛を奉納する習わしがあり、今もなお大阪木津卸売市場にて古式にのっとり行われている。翌日の「本戎」では、早朝から活鯛や焼鯛の朝市を開催。縁起物の鯛を買うお客で賑わいをみせる。

本戎にお参りする人びとが手にするのは「福笹」。笹、すなわち竹そのものが清浄さや生命力を示すことに加え、「吉兆(きっちょう・きっきょう)」と呼ばれる小判や米俵などの縁起物を模した飾りがつけられる。

関東でいうところの「熊手」に近い縁起物だ。「商売繁盛で笹持ってこい」という売り口上が境内に流れる中を歩くと、なんとも朗らかで賑やか、かつ清々しい気分に浸ることができる。ちなみに、戎様は耳が遠いといわれているため、願掛けは大声で行う習わしとなっている。

もうひとつ本戎で人気を集めるのは、宝恵駕籠(ほえかご)行列だ。

かつて南地の芸奴衆が商売繁盛を祈願するため"えべっさん"にお参りしたことに端を発するこの行列。いまでは芸能人や野球選手などが駕籠に乗り、「ほえかご、ほえかご」の掛け声とともに街を練り歩く。

関西在住の方はよくご存じだろうが、他の地域在住の方には馴染みが薄いかもしれない十日戎。まだ未経験の方は、ぜひ戎様のご利益を授かりにいってみてはいかがだろう。

■十日戎(今宮戎神社)
http://www.imamiya-ebisu.jp/toukaebisu/
新春には、おめでたい雰囲気に包まれる正月遊びにちなんだイベントも開催される。まずご紹介したいのは、滋賀県の近江神宮で開かれる「かるた祭・かるた開きの儀」だ。

近江神宮は、天智天皇を祀っている。小倉百人一首の巻頭歌「秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ」は、天智天皇が詠んだもの。そのことから近江神宮は、"かるたの甲子園"とも呼ばれている高校生の全国大会をはじめ、様々なかるたの大会が一年を通じて開かれている。

「かるた祭・かるた開きの儀」は、2014年1月12日(日)の午前9時から始まる。読師が天智天皇の巻頭歌を神前で朗誦したのち、華やかな采女装束を着た4名の"取姫"がかるたを取る。なめらかな所作で行われる儀式は、古式ゆかしく厳かだ。神座殿での儀式が終わると、近江勧学館にて「高松宮記念杯近江神宮全国歌かるた大会」が開催される。こちらは一転して、段位を持つ参加者による素早い動きが見どころだ。

近年は、高校生の競技かるたを題材にした漫画「ちはやふる」の影響もあり、近江神宮やかるた大会に足を運ぶ人が大幅に増えている。京阪大津線では、2014年3月31日(月)まで「ちはやふる」のデザインを施したラッピング電車が運行中だ。
次に紹介するのは「凧揚げ」。凧揚げの大会はゴールデンウィークに集中しているが、やはり正月の風物詩として新春に眺めてみたいもの。愛知県額田郡の幸田町では、昭和52年から1月に地元の凧揚げ大会を催していたが、広く全国の人びとに知ってもらうため、「こうた凧揚げまつり」として規模を拡大。今年で17回目となる新春恒例行事として定着した。

開催日は2014年1月12日(日)で、幸田町菱池地内にて午前9時からスタート。70cm未満の「小凧」から、立体凧や連凧を含む「中凧」、さらに「全国の部」が繰り広げられ、大空には無数の凧が優雅に舞いあがる。その後は、180cm以上の「大凧」が登場。複数人で呼吸を合わせながら凧を揚げる姿も見どころのひとつだ。中には10畳を超える巨大な凧も出現し、大会を盛り上げる。2014年は、すべて合わせて約190基もの凧が新春の空を彩る予定だ。和太鼓の披露や鷹匠の実演など、正月ムードを盛り上げるステージイベントも開催される。

ちなみに「中凧・小凧の部」は、手作り凧での当日参加申し込みも可能だ。公式ホームページで開催要項の規格を確認し、実際に作って参加すれば、より新春ムードを味わえることだろう。

■かるた祭・かるた開きの儀(近江神宮)
http://oumijingu.org/publics/index/127/

■第17回こうた凧揚げまつり(幸田町)
http://www.town.kota.lg.jp/index.cfm/12,28936,74,html
新春は、一年の平穏を祈願する行事が全国各地で開催される。その中でも、とりわけ賑やかで見応えのある"おめでた名所"をご紹介してみよう
学問の神を祀る太宰府天満宮で、毎年1月7日の夜に行われる「鷽(うそ)替え・鬼すべ神事」。鷽替えは、「替えましょ、替えましょ」の掛け声が飛び交う中、木彫りの鷽を暗闇の中で参加者同士交換し合う神事だ。知らず知らずのうちについた全ての嘘を誠心に替え、これまで生じた悪いことをすべて嘘とみなして今年一年の吉に転じさせるという意味を持っている。

鷽替えが終わると、次は勇壮な火祭りとして知られる鬼すべの始まりだ。およそ300人が鬼を退治する「燻手(すべて)」と鬼を守る「鬼警固」、そして「鬼係」の3つに分かれ、炎を用いた攻防戦を繰り広げる。鬼すべ堂の前にうず高く積まれた藁や松葉に火がつくと、燻手は大きなうちわで煙をお堂に送り、鬼を追い出そうとする。すかさず鬼警固はお堂の板壁を打ち破って鬼を救おうとするも、荒縄で縛られた鬼は煎り豆をぶつけられて退治される。燃え残った板壁は「火除けのお守り」として、持ち帰って玄関先に祀る習わしだ。

■太宰府天満宮
http://www.dazaifutenmangu.or.jp/

縁起物のだるまを売る市も、正月シーズンになると全国各地で開かれる。群馬県高崎市にある少林山達磨寺では、毎年1月6日と7日に「七草大祭だるま市」として開催され、例年20万人を超える観光客が訪れる。

高崎だるまは「福ダルマ」「縁起ダルマ」などと呼ばれ、だるま市が開催される少林山は、幸運をもたらす「福ダルマ」の発祥地だ。古来、だるまの像は護符として近隣の家々に配られていたが、江戸中期に飢饉で苦しむ農家の副業になるようにと作り方が伝授され、七草大祭で売り出されたのがはじまりとのこと。今でも50軒を超える近隣の農家が、だるま作りに携わっている。高崎だるまの特徴は、その表情。眉毛は鶴を現し、鼻と口ひげは亀を現している。なんとも縁起のいい顔だ。

市が盛り上がりをみせるのは、6日夜から7日未明にかけて。だるま売りの威勢のよい掛け声が境内にこだまして、賑やかでおめでたい雰囲気一色に包まれる。七転び八起きのだるまに、一年の幸運を託してみてはいかがだろう。

■少林山達磨寺
http://www.daruma.or.jp

正月飾りや古神札を焼納し、新たな年の商売繁盛、無病息災を祈る行事は「どんど焼き」「左義長(さぎちょう)」など、地域によって様々な名前で呼ばれている。宮城県仙台市の大崎八幡宮では「松焚祭(まつたきまつり)」と呼ばれ、全国有数の規模を誇る壮大な火祭りだ。

2014年の開催日は1月14日(火)。松飾りや注連縄などに火がくべられ、炎は天を焦がす勢いで立ち上る。この火にあたることでご利益を授かれるという。

同時に行われる「裸参り」も、松焚祭の見どころのひとつだ。数千人にも上る参加者たちは白鉢巻きに白さらし姿、右手に鐘、左手に提灯、口には私語を慎むための「含み紙」をくわえ、市内を練り歩いて八幡宮を目指す。ちなみに2013年の松焚祭当日は吹雪。それでも多くの人びとが肌をさらして参加し、炎を目指した。この行事とご利益が、地元の人々に根付いている証拠といえそうだ。

■大崎八幡宮
http://www.oosaki-hachiman.or.jp





次回2014年1月号は、2013年12月25日(水)配信予定です。お楽しみに!
「駅すぱあとアンテナ」2013年12月号
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発行日 2013年11月27日(水)
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